2019年11月26日

博学連携プロジェクト 子ども縄文フォーラム2019

みなさんこんにちは、なんだかんだで、ここをご覧くださっているみなさんのおかげで辛うじて生きている学芸員Aです。

さて、昨日、新潟県立歴史博物館にて催された、博学連携プロジェクトの「子ども縄文フォーラム」に参加してきました。


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十日町市からは下条小学校、中条小学校、松代小の3校も参加していたこともあり、色々と楽しみにしていました。内容は、フォーラムのパネルディスカッションとポスターセッションとの2本立てです。

  • パネルディスカッション

この半年間の児童の研究成果ないしは感想が口頭発表されました。
現代との対比はここ数年のスタンダードなアプローチになっていて、これに加えて今回は自然との共存共栄というテーマを持ち出す学校がありました(小千谷市の吉谷小学校さん)。縄文というフィルターを通じて現代を見つめ直すという方向性がはっきり出てきた感じがします。

興味深いことに、「自然を大切にしよう」というありきたりなスローガンに落ち着くのではなくて、「自然主義では駄目、共に生きるために科学が必要」だということも言っていた点でした。一歩踏み出た、大変深みのある意見です。

気になったのは松代小学校さんの発表で、縄文時代に比べて現代は死者数が増えており、これは戦争の影響であり、助け合いながら生きる縄文に学ぶ必要があるという部分でした。これは若干誤解を招く言い方で、単純な死者数ではなくて、暴力による死亡率のことだろうと思います。そうだとすると、かなり新しいデータで、元ネタはこれかもしれません。

 縄文時代は“平和”だった 暴力死亡率は1.8%――「戦争は人間の本能」は誤り?

また強い戦士に特権を与える社会集団ほど戦争を起こしやすいという研究も最近出されて、話題になりましたね。

 asahi.com :「男の強さ」幅利かす社会、紛争が起きがち 戦士に特権


人の話を聞くリーダーが必要だと述べた学校さん(失念)もありましたが、一方で強さを高く評価するリーダー以外の人々(社会)にも原因があるのかもしれません。

そんなわけで、発表を聞きながらモヤモヤしていました。つまりは、ちょっと考えさせられた、いい発表だったということでしょうか。

  • ポスターセッション

私は関原小学校しか見ていなかったので、全体評価ができません。
ネットのお蔭だと思いますが、みなさん情報収集がそつない感じがします。幅広く集めていて、全体のボリュームが均等で、よくまとまっている、という感じです。どのポスターもこの水準をクリアしています。実は関原小学校に前から見られる傾向でして、基礎学習のレベルの高さを物語っていると思います。

ですが、他方で、その情報に基づいて自分が何に気付いたのか、何に取り組んでみたのか、さらにそこからどう考えたのか、という大事なオリジナリティが希薄になっている印象が残りました。ちょっと残念。

  • 学芸員のイチオシ

選ばせてもらった1枚は、「季節ごとの縄文人の食事とは!?」(長谷川さんたち)でした。これは春夏秋冬のそれぞれでとれる食材の保存について、単に「保存する」の一言で片づけてしまうのではなく、「干して保存する」「1年間保存する」といったように、その方法や期間に違いがあるという点に気付いたことを評価しました。方法や期間は年間の食料・事のスケジュールに大きくかかわる部分で、それこそまさに生活の根幹だからです。こういう気づきに本人たちが気付いたのかどうかは若干不透明でしたが(笑)、こういうところがオリジナリティだと思います。

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*画像は小さくしています

学芸員のイチオシは、「受賞」というわけではないかもしれませんが、顧問の藤岡先生は「書状の一枚くらいあげてもいいのではないでしょうか」とおっしゃってました。ワタクシも「形として見える何かがあっていいと思います。」とお答えしました。このあたりは、事務局のお考えがあってのことかもしれませんので、それならそれで尊重したいと思います。

  • 展示されます

この壁新聞を含む児童の研究成果は、2月12日〜25日に十日町情報館ギャラリーで展示(子ども縄文研究展2019)されますので、是非ご覧ください。

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学芸員A
posted by 十日町市博物館 at 11:14| Comment(0) | 日記
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