2017年07月25日

画竜点睛を欠く

みなさんこんにちは学芸員Aです。

先週、お隣の長岡市にある馬高縄文館さんに行きまして、

特別展「東北系の土器と火炎土器I」展のたくさんの土器たちを拝見しました。

大木(だいぎ)8aや大木8bとかいう土器の分類名が書いてありました。

「へ〜〜!」となんどもつぶやきつつ、いろいろ勉強になりました。


そこへ男性数人の御一行があらわれました。

で、それらの土器を見るやいなや、

「これは8aじゃないだろ、8bだろ〜〜〜、な〜?」

それから大木談義に花が咲き、なにやら楽しそうでした。

実は前に何度かご挨拶させていただいた方も含む、専門家の方々でした。

考えてみれば展示している方々ももちろん専門家。

8aか8bかというのは、見解の相違、というところなのでしょう。

勉強になるなーとおもつつも、いろいろと考えさせられてしまいました。

2017_07-24_nokubinokubi1.JPG

ところでいま、わが博物館の2階の特別展示室で企画展を開催しています。

「野首遺跡出土品のすべて」展、といいます。

本日、このブログのための取材を兼ねて2階へ赴きました。

土器だらけの収蔵庫みたいな状態を前にして一時呆然と立ち尽くしました。

すごい数です↓ ちなみに反対側にもどど〜〜んとあります。

2017_07-24_nokubinokubi2.JPG

で、ちゃんと取材しなきゃと思って、面白いもの探しを始めました。

そして、ついに、「これが一番!」

というものを見つけました。これです。

2017_07-24_nokubinokubi3.jpg


新潟県。

いや、もう、そっくりじゃないですか。

といっても新潟県の形をご存じない方もこのブログを見ている可能性が

ほんの少しだけあるので、ここで紹介致しましょう。

これが新潟県です!

2017-07-24_nokubinokubi4.jpg


かつて、こんなに白い新潟県を堂々と示したことがあっただろうか(いやない)

展示に置いてある石器の角度も絶妙です。

本当にもうそっくり。

新潟県形石器と名付けることを学会に提言することを検討したいところ。

ですがしかし、提言には至れません。至れない理由があります。

なぜならば、




佐渡がない。





痛恨と言うほか有りません。実に残念。

佐渡があればこの石器は完璧だったのに。。

画竜点睛を欠く。

そんなふうに思いながら、泣きながら展示室をあとにしたのでした。



土器のことをすっかり忘れて(いいのか)。



学芸員A
posted by 十日町市博物館 at 16:42| Comment(0) | 日記

2017年07月24日

縄文人の巨大ピアス

みなさんこんにちは、学芸員Aです。

「分じろう」(十日町市民交流センター)内のHAKKAKEにある展示物が、

8月からかわります。来月から2ヶ月間は、

「縄文人の巨大ピアス」になります。

今から3,700年くらい前の、縄文時代後期の焼物のピアスです。

直径が5cm以上のものもあります。

樽沢開田遺跡出土品の一部 耳飾り.jpg


ピアスは、首飾りや腕輪、かんざしなどと一括して、

「装飾品」という脈絡で語られることが多いのではないかと思います。

でも、見方を少し変えるとおもしろいんじゃないかと、個人的には思います。

耳飾りはほとんどの場合、「肉体の変形」を伴います。

肉体の変形を伴う装飾というと、ほかには刺青とか、首長族の首輪、鼻輪があります。

未開社会においては、いずれも成長や婚姻に関わり、儀礼的な意味が込められている特徴があります。

痛みを伴うことにはそれに見合うだけの意味や意義がある、、のかもしれません。


3、700年もまえの人々が、

単なる装飾品を越えて、肉体を変形させてまで何をあらわそうとしていたのか、

何を考えていたのか。


あれ、

考えてみれば、私たちはなぜ、・・・・・・?



そんな目でご覧いただけるとお楽しみいただけるかもしれません。

ご期待ください。


学芸員A
posted by 十日町市博物館 at 10:42| Comment(0) | 日記

2017年07月14日

職場体験2日目

みなさんこんにちは、学芸員Aです。

職場体験実習2日目。

3人の生徒さんたちに、ワークショップイベントのための実験作業を行ってもらいました。

10月下旬に開催する「ガラス鏃作り」の実験です。

「鏃」っていうのは、ヤジリとも読みまして、矢の先端に取り付ける鋭いあいつです。

「矢尻」とも書きます。

ガラスで?と思われるかもしれません。

確かに旧石器から弥生時代には石で作るのが基本でしたが、

黒曜石は言ってみれば天然のガラスですから、

現代の「ガラス」でも物性的にはほとんど同じなのです。


今回は、ついでに「矢」も作ってしまおうということで、

ほぼ一日取り組んでもらいました。


鹿の角と五寸釘を手に、ガラス瓶と格闘すること2時間半。

鏃はお昼までに何とか完成。結構苦戦している様子でした。

2017_07_14_syokubataikenjissyu2.jpg

午後は矢柄(やがら)と矢羽根(やばね)を製作して、

鏃をふくめて全部を合体させました。アスファルトの接着力には感動しました。

これもたっぷり2時間かかって、都合4時間半。

朝、予定外の作業が入ってきたので、その分、少し時間が足りなくなりましたが、

ほぼ完成することができました。めでたしめでたし。

また、おかげ様で、このワークショップの課題もいくつか見えてきました。

鏃を作っている時の生徒さんの一言。



「これ、難しくね?」



的を射るとはまさにこのこと、ですな。ははは。

おあとがよろしいようで・・・・・

(パチパチパチパチ)

・・・じゃなくて、改善致します!


最後はロビーで製作物について発表し、館長代理(副館長)より修了証書を授与。

バックグラウンドでいろんな準備して、その積み重ねの上に、

一般の方の目に見える部分があるんだよ、

ということが伝わればいいなと思いながらの実習でした。

皆さん一生懸命取り組んでもらえて本当によかったです。


学芸員A
posted by 十日町市博物館 at 10:00| Comment(0) | 日記